民泊の撤退を考え始めたとき、いちばん気になるのが「結局いくらかかるのか」ではないでしょうか。撤退費用は物件の広さや家財の量によって大きく変わりますが、内訳を知っておくだけで、無駄な出費をかなり減らせます。
この記事では、大阪の民泊オーナー様向けに、撤退にかかる費用の内訳と目安、そして意外と知られていない「民泊の家財は家庭の粗大ごみに出せない」というルールについて解説します。
撤退費用の内訳は4つ
- 残置物の処分費——家具・家電・寝具・食器などの撤去と処分
- 原状回復・清掃費——物件を明け渡せる状態に戻す費用
- 撤退が終わるまでの固定費——家賃・光熱費・保険料など
- 契約関連の費用——解約違約金など(契約による)
見積もりに出てくるのは1と2ですが、実際の負担で意外と大きいのが3の「撤退が終わるまでの固定費」です。後ほど説明します。
注意: 民泊の家財は「家庭の粗大ごみ」に出せない
まず知っておきたい大前提があります。民泊で使っていた家具・家電・寝具などは、事業活動に伴って出たごみにあたるため、自治体の家庭ごみ・粗大ごみ収集には出せません。大阪市の粗大ごみ収集(1点200円〜の手数料券の仕組み)は、あくまで家庭から出るごみが対象です。
「住居用の部屋だったから」と家庭ごみとして出してしまうと、ルール違反の処理になり、思わぬトラブルの原因になります。事業のごみは、行政の許可等を受けた適正な処理ルートで処分する必要があると覚えておいてください。
さらに、エアコン・テレビ・冷蔵庫・洗濯機は家電リサイクル法の対象で、リサイクル料金と収集運搬料(1台あたり数千円程度)が別に必要です。
つまり民泊の撤退では、「自分で粗大ごみに出してコツコツ処分」という選択肢が実質的にありません。ワンルームでも家財を全部出すと軽トラック数台分になることが多く、適正な処分ルートを持つ業者にまとめて任せるのが現実的です。
業者に依頼する場合: 価格はこう決まる
残置物の撤去を業者に依頼する場合、料金は主に次の要素で決まります。
- 物量——トラック何台分か。間取りと家財の量でほぼ決まる
- 搬出条件——エレベーターの有無、階段の階数、トラックを停められるか
- 作業範囲——撤去だけか、清掃や原状回復まで含むか
同じ間取りでも物量や搬出条件で見積もりは大きく変わるため、「1Kならいくら」と一概に言えないのが実情です。だからこそ、複数社の相見積もりで数万円単位の差が出ることも珍しくありません。一方で、相見積もりには立会いや日程調整の手間がかかります。
原状回復費: どこまで戻すかで変わる
原状回復は「掃除をして引き渡せるレベル」なのか「壁紙の張り替えや設備修繕などの工事が必要なレベル」なのかで費用がまったく違います。
- 清掃レベル——床・水回りの清掃で引き渡せるなら、費用は比較的小さく済みます。
- 工事レベル——クロス張替え・建具や床の修繕などが必要な場合は、内装工事の費用が別途かかります。
どこまで求められるかは賃貸契約の条件次第なので、見積もりを取る前に大家さん・管理会社へ引き渡し条件を確認するのが、余計な出費を防ぐ近道です。
見落としがちな「時間のコスト」
撤退費用というと処分費や清掃費に目が行きがちですが、実は撤退が1ヶ月延びるごとに、家賃1ヶ月分がそのまま損失に上乗せされます。稼働を止めた民泊は収入ゼロのまま、家賃・光熱費・保険料だけが出ていくからです。
たとえば家賃10万円の物件なら、片付けに手間取って明け渡しが2ヶ月遅れると、それだけで20万円。処分費を数万円節約するために自力処分で時間をかけた結果、トータルでは高くつく——というのが撤退でいちばん多い失敗パターンです。
当社の場合: 30㎡まで一律8万円(税別)
Alpaca Innの民泊撤退援助サービスは、この「見積もりの分かりにくさ」と「時間のコスト」をなくすために、大阪市内・30㎡までの物件なら一律8万円(税別)にしています。
- 家具・家電・寝具・食器などの残置物撤去・処分
- 民泊備付品(照明・棚・看板・鍵ボックス等)の取り外し・撤去
- 床・水回りの簡易清掃
ここまで全部こみで、作業は30㎡程度なら原則1日で完了します。相見積もりの立会いも、処分の手配も不要です。
まとめ: 「処分費の安さ」より「トータルの損失」で考える
撤退費用は、処分費・原状回復費だけでなく、撤退が終わるまでの家賃も含めたトータルで考えるのが正解です。早く・一度で終わらせることが、結果的にいちばん安くつきます。
撤退全体の段取りは「民泊のやめ方・撤退手続きの流れ」、行政への届出は「民泊の廃業届の出し方」にまとめています。あわせてご覧ください。
