民泊撤退お役立ちガイド

民泊の廃業届の出し方|特区民泊・住宅宿泊事業・旅館業の違い

公開日: 2026/08/21|株式会社Alpaca Inn

民泊をやめるときは、営業を始めたときと同じように行政への届出が必要です。ただし「廃業届」とひとことで言っても、どの制度で民泊を運営しているかによって、提出先も様式も期限も違います。

この記事では、大阪の民泊オーナー様向けに、制度別の廃業手続きと、あわせて必要になる手続きをまとめました。

まず確認: 自分の民泊はどの制度?

日本の民泊は、大きく次の3つの制度のどれかで運営されています。手元の書類で確認できます。

制度見分け方
特区民泊自治体から「認定書(認定通知)」を受け取っている。大阪市など国家戦略特区の区域で営業。正式名称は「国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業」
住宅宿泊事業(新法民泊)「M」で始まる届出番号がある。年間営業日数の上限が180日
旅館業(簡易宿所など)保健所から「旅館業営業許可証」を受けている

特区民泊の場合: 事業廃止の届出

特区民泊(大阪市の場合)は、事業をやめるときに事業廃止の届出を自治体へ提出します。 様式や添付書類は自治体のホームページで案内されているので、認定を受けたときの窓口に確認するのが確実です。認定書に記載された認定番号が必要になります。

なお、大阪市の特区民泊は2026年5月29日で新規の届出受付が終了しました。すでに認定を受けている施設は引き続き営業できますが、一度廃止すると同じ制度で再開する道はありません。撤退の判断は、その点も踏まえて行いましょう。

住宅宿泊事業(新法民泊)の場合: 廃業等届出書

新法民泊は、廃業のルールが法律ではっきり決まっています。

  • 期限: 廃業から30日以内に「廃業等届出書」を提出
  • 提出方法: 民泊制度運営システム(オンライン)が原則。窓口での提出も可能
  • 提出前に、最後の定期報告(宿泊日数等の報告)を済ませておく必要があります

届出を出さないまま放置すると、営業していなくても定期報告の義務が続きます。やめると決めたら、忘れないうちに届出まで済ませてしまいましょう。

旅館業(簡易宿所)の場合: 廃止届

簡易宿所営業などの旅館業許可で運営している場合は、許可を受けた保健所へ廃止の届出を提出します。様式は自治体ごとに用意されており、営業許可証の返納を求められる場合もあります。管轄の保健所に確認しましょう。

あわせて必要になる手続き

民泊の廃業届のほかに、次の手続きも忘れがちです。

  • 税務署への届出——個人事業として運営していた場合は「個人事業の開業・廃業等届出書」(廃業から1ヶ月以内)。事業全体をやめるのか、民泊だけやめるのかで扱いが変わるため、税理士や税務署に確認を。
  • 火災保険・施設賠償保険などの解約——明け渡し日に合わせて解約すると無駄がありません。
  • 電気・ガス・水道・インターネットの解約——ただし電気と水道は、退去前の清掃・片付けで必ず使います。早く止めてしまうと掃除ができなくなるため、明け渡し日まで契約を残し、退去日に合わせて精算するのがおすすめです。
  • ごみ収集業者との契約終了の連絡——直前まで宿泊客を入れていた場合、退去までの間も普通ごみが出ます。事業から出るごみの収集は契約している収集業者にしか任せられないため、契約をすぐに切らず、明け渡しまで残しておくと安全です。
  • 住宅宿泊管理業者・清掃業者との契約終了の連絡——委託契約の解約条件も確認しましょう。
※ この記事は2026年8月時点の情報をもとにした一般的な解説です。届出の様式・期限・添付書類は自治体・制度によって異なるため、最終的には必ず提出先の窓口でご確認ください。

まとめ: 届出は「30日以内」を目安に早めに

制度によって細かい違いはありますが、共通するのは「やめたら早めに届け出る」こと。特に新法民泊は30日以内という期限が明確に決まっています。

届出そのものは書類1枚のことが多く、難しい手続きではありません。撤退で本当に大変なのは、そのあとの残置物の片付けと原状回復です。段取りに不安がある方は、費用の目安を「民泊撤退の費用相場」で確認してみてください。